海浜植物とは、海岸に咲く植物の事を言います。有明浜には、四季折々の海浜植物たちが多数生息しています。ただ眺めながら浜辺を歩くのもいいですが、写真と見比べながら、探すのもおすすめです。ここでは”春頃”開花予定の海浜植物を紹介しています。※記載している海浜植物の中には、季節の変わり目で咲いていない海浜植物もあります。
- ハマアオスゲ(浜青菅)
カヤツリグサ科:4月〜7月
小柄な多年生の草本。束になって生じ株立ちになるが、あまり大きなまとまりにはならない。茎や葉は硬くて丈夫。地下茎でふえる。
- スナビキソウ(砂引草)
ムラサキ科:5月〜6月
葉、茎ともにやわらかい毛で覆われている。有明浜では汀線近くに群生が見られるが、環境の変化に敏感で、人の出入りが多い場所からは徐々に姿を消している。
- ハマヒルガオ(浜昼顔)
ヒルガオ科:5月〜6月
海岸の砂地にはえる多年草。白い地下茎が砂中に長くのびる。地表の茎は砂上に横たわり、適当な物があれば巻きつく。花冠はロート形で淡紅色。
- ハマボッス(浜払子)
サクラソウ科:5月〜6月
茎の先に総状の花序を出して白い花が咲く。茎は円柱形で、しばしば赤みを帯びており、葉は厚くて光沢がある。崖や石ころの多い浜辺によく見られる。
- マンテマ
ナデシコ科:5月〜6月
白色の花弁に大きな紅色の斑点がある、ヨーロッパ原産の一年草。江戸時代末期に観賞用として持ち込まれたのち野生化した。
- ボタンボウフウ(牡丹防風)
セリ科:5月下旬〜6月
海岸の日当たりのよい所にはえる常緑3年草。草丈は1m前後。枝先に複散形花序を出し、白色の小さな花を多数つける。
- ハマナデシコ(浜撫子)
ナデシコ科:5月〜7月
紅紫色の花が茎の先に密集して咲く、海岸あるいはその付近にはえる多年草。茎の下部は硬く木質で葉は厚く、光沢がある。
- ツルナ(蔓菜)
ハマミズナ科:5月〜8月
多肉質で毛がなく、葉は厚く柔らかく菜のように食べられることから「ハマジシャ」と呼ばれ、畑に栽培されることもある。
- ハマニガナ(浜苦菜)
キク科:5月〜10月
直径2~3cmの黄色い、舌状花の集まった頭状花をつける。葉はやや厚く、形は一定でない。白い地下茎が長く砂中を這い、地下茎の節々から葉と花を砂の上に出す。
- オオバナコマツヨイグサ(大花小待宵草)
アカバナ科:5月〜10月
淡い黄色い花をつける。茎の長さは60cmまでで、茎の根元から枝分かれし砂の上を這う。夕方から咲き朝方しぼむのが特徴。
- テリハノイバラ(照葉野茨)
バラ科:6月〜7月
茎は地表や堤防を這うように伸びる。よく似たものに「ノイバラ」があるが、ノイバラより花の数が少なく、一つ一つはずっと大きい事などで区別ができる。
- カワラサイコ(河原柴胡)
バラ科:6月〜8月
黄色い小ぶりな花が長期間に渡って次々と咲く日当たりのよい河原や砂地にはえる多年草。葉は多数の小葉からなる奇数羽状複葉。
- オカヒジキ(陸鹿尾菜)
ヒユ科:7月〜8月
日当たりの良い海岸の砂浜などに生育する一年草。茎は斜めに立ち、枝を分ける。春頃の若い葉は肉質で柔らかいが、夏頃になると硬くなりとげ状になる。
- ネコノシタ(猫の舌)
キク科:7月〜8月
茎は長く砂上をはい節から根を下ろす。葉は厚くやや肉質で、ふちにまばらに鋸葉がある。両面とも短くてかたい毛がありザラザラし、猫の舌に似ていることから名がついた。
- ハマゴウ(浜栲)
シソ科:7月〜8月
落葉性の低木で、茎は砂上や砂中を横に長く這う。地元では「ホウの木」とよぶ。有明浜を代表する植物で、浜辺一面に途切れることなく群生する。有明では白花ハマゴウを見ることもできる。
- ビロードテンツキ(びろうど天突)
カヤツリグサ科:7月〜9月
海岸の砂地にはえる多年草。茎や葉はかたく、白い毛が密生する。茎の先に小穂を頭状につける。
- ハマサオトメカズラ(浜早乙女蔓)
アカネ科:8月〜9月
「サオトメカズラ」の葉が光沢をもち海岸で生きられるように変化したもの。葉や茎、実を揉んだりすり潰すと臭気が漂う。
- セイコノヨシ(西湖の葦)
イネ科:8月〜10月
中国の西湖のほとりで生えていた事から名付けられた。アシより少し大型なのでセイタカヨシとも言われいてる大型の多年生草木。
- ウンラン(海蘭)
オオバコ科:8月〜10月
茎の先に数個の黄白色で仮面状の花をつける。香川県下では、「有明浜だけ」に自生が確認されている。環境の変化で自力での繁殖が危うくなっている。
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